2026-05-06

[『蝦夷異事』の書写者は「村上茂用」か「村上義用」か

 書写された古文書の書写者、書写年などはほとんどの古文書で記載されていません。

貴重なことに『蝦夷異事1~4』では、2・3・4の奥付に筆者年と筆写者が記されています。

1.この筆写者は字の崩しが似ているので「村上用」か「村上用」かどちらだろうかという問題があります。

(1)『蝦夷異事 二』


(2)『蝦夷異事 三』

   *名前の後の文字は「写之:これを写す」とは読めないでしょうか?

(3)『蝦夷異事 四』


(4)他の資料で「定姫様御親戚」https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200023476/28?ln=jaの末尾に同じ筆写者と思われる奥付があります。

 この資料の奥書の翻刻では、「文政九□年二月十六日/村上茂用」となっています。



2.『蝦夷異事1~4』は全てこの筆者の筆写のと思われるので、「茂」と「義」の字が出てくる筆字をいくつか抜き出してみました。

(1)「茂」

(2)「義」


両者は非常に似ていますが、「義」より「茂」に近いような気がします。


筆写者は「村上用」という結論でどうでしょうか?


3.参考までに児玉幸太編『くずし字用例辞典 普及版』(東京堂出版)での崩し字を載せておきます。

(1)「茂」


(2)「義」

0 件のコメント:

コメントを投稿

仙台藩が蝦夷警固出兵の際、重い荷物を船で運んだ根拠

 『蝦夷異事三』P49以降の 「 辰(文化5年)正月五日仙台家より御届 」で、蝦夷警固のための大量の物品が挙げられています。 それらを、出兵の一行が人力と傳馬で運ぶことはできそうにありません。 船でも運んだのではないかと思っていたのですが、なかなか根拠を見つけることができないでい...